お前のこと、落としてやるよ。
と、私に訴えかけているのがビシビシと伝わってくる。
うぅ……、大丈夫、大丈夫だ、私。平常心を保て。
「あの、…皐月、誕生日、おめでとう」
「あぁ。」
顔だけは上に上げ、でも目は合わせないようにふせながら。
単語単語で区切るようになっちゃったけど、これが私の精一杯。
「で、えっと、……これプレゼント」
そう言って、少し腰を屈め、私が何分か前にずっと見つめていた白い箱を紙袋から取り出し皐月に差し出した。