お前のこと、落としてやるよ。


茶色の髪を風で揺らしながら、何を続けたらいいのか、分からないといった感じで名前を呼ばれた。



でも、それは、私も同じで



「……なっちゃん、」


と、震えた声で一言しか言えない。



妙に口の中がパサついて、顔がうまく見れない。



「えーっと、いろいろ聞きたい事はあるんだけど、まずはここ座れよ」



そう言って、ベッドの隣にあった丸イスをポンポンと叩いた。



「え、……あ、ありがと」



なっちゃんの言葉に甘え、イスに腰かける。

< 210 / 307 >

この作品をシェア

pagetop