お前のこと、落としてやるよ。
そう言い、歩き出したのだけど、先程とは違い歩幅をあわせて歩いてくれる。
……気まぐれかよ、ばーか。
心の中では悪態をついてみるけど、その気まぐれが嬉しいなんて私もどうかしてる。
*
「ありがとうございましたー」
自動ドアが私たちを察知し、勝手に左右へドアを開けてくれる。
お店を出た瞬間、モワッとした熱気が私達を襲い、思わず「暑っ……!」と漏らしてしまう。
100均でだいたい欲しいものは、買えたから、後は衣装の布を買いに行くだけ。