お前のこと、落としてやるよ。
*
うっすらと、なにやら声がする。
数回目を開閉すると、ぼんやりと映っていた景色が鮮明に見えるようになった。
『……皐、月?目が覚めたの?』
『母さん…?』
心配そうに顔を覗き込んでいる母さんの名前を呼ぶと、ガバッと強い力で抱きしめられた。
『良かった……っ、心配したんだからね』
『大丈夫だよ、母さん』
あぁ、俺は愛されてるんだなって改めて実感できたような気がする。
俺は右足と右手にヒビが入っていること。