お前のこと、落としてやるよ。


『いきなりなんなの!私のこと嫌いなんでしょ?

いきなり抱きしめてかないでよ!〝幼なじみ〟だけど、やってもいい事と悪い事がある!』



ガツンっと、頭を土器で殴られるような感覚。


離れていく永遠の後ろ姿をボーッと眺めることしかできなかった。





*



『皐月、あのね……永遠ちゃん、記憶がなくなっているらしいの……それもここ数年の。

医師からは、多分極度の怖い思いをしてそれを脳が忘れようとしてるんだって……。

その記憶は1ヵ月後に戻るかもしれないし、永久に戻らないかもしれない。

多分、今永遠ちゃんの記憶には、〝彼氏〟の皐月は覚えていない可能性が高い…』

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