お前のこと、落としてやるよ。
「大丈夫、俺がいるから。」


新学期始まってからの初めての土曜日であり、同居最後の日。


私は、溜めていた録画を見て、皐月はスマホをいじっていた。



……二人きりのリビングで。



別に好きで二人きりになったわけではない。
絵梨おばさんとお母さんが県外まで、電車に乗って買い物に行ってしまったから、しょうがなく。



二人とも無言のため私が見ているテレビの音だけが部屋に響いている。



___ドクン



突然、頭が脈をうつようにドクンドクンと動いて痛く思わずそこに手を当てた。




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