HE IS A PET.
Christmas
「友達のペットが、友達の同棲してる彼に虐待されて。うちまで逃げてきて、保護してたんですけど」
「ちょっと待って。逃げてきたって、室内犬が首輪付けたまま家出して来たの? 倉橋さんちまで? 凄いね、その犬」
守田さんは優しい人だ。
酔っぱらいの話に親身に付き合ってくれて、真面目に感嘆してくれる。
「そうなんです。怜はお利口で健気で、ワガママ言わないから手がかからなくて。よく泣くけど」
「レイって名前なんだ。可愛いね。メス? でも鳴き癖は困るよね。倉橋さんのマンションって、ペットOKなとこ?」
「内緒で飼ってました」
高校生の男の子を囲っているなんて、マンションの規約云々以前に世間に認められることじゃない。
「そっか、大変だったね。バレなくて良かったね」
穏やかに相槌を打ってくれる守田さんは聞き上手で、何でも話しやすい。
「で、もう友達のとこに帰ったの? レイちゃんは」