HE IS A PET.


 とりあえず場所移動。
 時間や周りを気にせず、ゆっくり話せるとこ――と言ったら、うちしか思いつかない。

 シュウを自宅に招き入れることに、少し抵抗を感じたことに時の流れを感じる。

 ずっと友達でいたいと言ったくせに、しばらく音信不通だったシュウは、変わらないようでいて、やっぱり昔とは違う距離感がある。


「で、離婚したって……いつ?」

 紅茶を淹れて、本題を切り出した。


「三月」


「子供……シュウの子供じゃなかったって、何で分かったの?」


「DNA鑑定。何で調べたかっていうと、確信なかったみたい。俺の子だっていう。確信したくて調べたら、違ってたっていうオチ。元奥さん、変なとこで神経質だから」

 こうやって笑うシュウに、よく騙された。

 何でも冗談にして笑ってるから、大丈夫だと思っていたら、全然大丈夫じゃない。
 放って置いたら、知らないところで駄目になるのだ。

 こういうところが怜と似ているようで、逆だ。
 放って置けないほど弱々しい怜は、放って置いても誰かにちゃんと庇護されている。
 

「シュウって、ほんとバカだよね」

「うあ、今それ言うー? サキちゃんの追いこみ、パねぇなあ」

「そうやってへらへら笑うの、笑えない。何で笑ってんの」


「あー、じっちゃんの遺言だから。どんな時も笑ってろって」

「それ、ホント?」

「ごめん、ウソ」



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