HE IS A PET.


「ずっと気になってた? はっ、忘れてたくせによく言うぜ。調子良すぎんだろ」

 チトセが唇の端を歪めた。

「俺は、ずっとむかついてたぜ。アイツ、お前が俺の話すんのはキレるくせに、俺にはお前の話ばっかしやがって。聞いてもねえし、聞きたくもねえのによ」

「え、それってもしかして……嫉妬?」

 口を挟んで、チトセにギロリと睨まれた。

「ふざけんな。コイツがどんな声で喘ぐかとか、どんな顔してイクかとか、んな情報知りたくもねえのに。あの変態は、終いには画像まで見せつけるようになりやがって。こいつが自分じゃ見れねえような姿まで、俺は見てんだよ。実物見たら、生々しくて吐き気する」

 そう吐き捨てて、手にしたペットボトルを開栓したチトセは、ごくごくと喉を鳴らせて水を飲んだ。
 その傍らで、顔色を失った怜が立ち尽くしている。


「女みてえに濡れて喘いで。すげーよな、お前」

 卑猥な言葉でからかわれ、白い頬がぱっと羞恥に染まる。
 居たたまれない表情で俯いた怜は、消え入りそうな声で謝った。

「ごめん、あっくん……汚いもの見せて」

「見せたのは悠里でしょ。怜が謝ることないじゃん。てか、逆に謝ってもらってもいいよね。本人の承諾なしにそんなことして。犯罪じゃん」


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