HE IS A PET.


 チトセの電話番号を伝えて、電話を切ろうとしたとき、

「ああ、そういえばねぇ。会ったわよ、シュウに。咲希んち行ったら、いた」

 咎めるような口調に、ドキリとした。

「あっ、ごめん。うちまで来てくれたの?」

 私が電話にも出ず、うろうろしていたからだ。

 怜のために発揮されるアズミンの行動力に少し驚く。
 前に怜が家出したときには、憎らしいほど悠長だったのに。


「ねえ。あんたたち、いつからそーいう関係なわけぇ?」

「シュウと同居のこと?」

 シュウが真崎さんに喋ったって言ってたから、てっきりアズミンの耳にも入ってるもんだと思ってた。

 さすが仕事のデキル男は、口が固い。

「住むとこないって言うから、二週間置いてただけ。それ以外、別に何も」

「キスしたって、聞いたけどぉ?」

 あんにゃろ、何喋ってんだ。

「あ、あっ、あれは……事故的な? うん、そうそう。そもそもふざけんてんだよね、シュウは」


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