HE IS A PET.
「社長って呼ばれるより、そっちの方がいいわぁ。会社とは無関係の商談だもの」
「無関係? あんた個人じゃ無理だろ」
チトセの表情が曇る。
アズミンはあくまでも晴れやかに言い切った。
「AZMIXには手出しさせない。怜は、あたしが個人的に飼ってるペットよ。自分一人で責任を持てないなら、最初から飼わないわよ」
「なるほど、飼い主の鑑だな。口だけじゃねえってとこ見せてくれよな」
「ええ。口だけじゃ物足りないわよねぇ」
んふふとエロい笑みを浮かべて、アズミンは私を振り返った。
「てことで悪いけど、咲希ぃ。あたしたち今からしっぽりと一戦交えるからぁ。下で待たせてるタクシーに乗って、先に帰っててちょうだい」
え?
「私も……」
「嫌よぉ、3Pなんて。これ以上、巻き込みたくないの。帰ったら全部忘れて、明日から普通に生活しなさい。また落ち着いたら連絡するわねぇ、ご飯でも行きましょう」
有無を言わせない笑顔で、私と一線を引こうとするアズミンに、不安になる。
「ねえ、商談って何の話? 怜をどうにかするの?」
AVデビューさせるって話、まさか進める気じゃないよね?