HE IS A PET.

「……は? あんたには関係ねえだろ。もう出しゃばるなっつったよな?」

「そうだよ、チトセ言ったよね。事を大袈裟にしたくないって。じゃあ、何で仕事場に押しかけて、圧力かけて、アズミン拉致ったりすんの?」

「アズミン? どこの可愛い生き物だよ」

「安住、返して」

「返せねえな。拉致ってねえし」

「チトセの差し金じゃないの?」

「誰がだよ。興奮してねえで、分かるように話せ」

 冷たい声で指摘されて、むっとしつつも真崎さんから聞いた話を伝えると

「分かった」

 と言って、チトセは電話を切った。切りやがった、こんちくしょう。

 再コール。

「あ? 何だよ、しつけーな」

「何だよじゃないよ。アズミン拉致ったの、ヤスさん? 何のために、どこに連れてったの? 無事に帰してくれるんでしょうね?」

「うっせえ。寝起きだっつの、ぎゃあぎゃあ騒ぐな。つか何だろうが、あんたにゃ関係ねえだろ。忠告、もう忘れたのかよ」




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