HE IS A PET.



「嫌いに決まってんだろ。アイツがどこで何してようが、知ったことかよ。俺には関係ねえ」

「またまたぁ。新に凄い剣幕で怒ってたくせに」

 からかうようなアズミンの言葉に

「うるせえ」
 
 とチトセが吐き捨てる。


「ねえ、帰って来てもいいの? 怜、アズミンんところに」

「好きにすればいいっつってんだろ」

「じゃあ、怜にそう言ってあげて。チトセの口から直接」

「アイツと連絡取れんのかよ?」

 チトセが怪訝そうに尋ねる。
 ナイス指摘に言葉を失った私に、呆れたような溜め息が吐かれる。


「怜との連絡の取り方なら、あたしが知ってるわよぉ」

 アズミンがにこりと笑った。

 そうだ。怜の足取りは大体掴めていると、アズミンは言っていたのだ。
 迎えに行かなかったのは、翠幸会とのことがあったからで、それにケリがついた今、

「早く迎えに行ってあげて」

 きっと怜は待っている。

「また一緒に暮らせるわよって、言ってあげて」

 良かったね、怜。
 私はそう言ってあげたい。


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