HE IS A PET.
拓海?
「ずっと聞く気もなかった、子供の名前。拓海って知ったら、会いたくなって。会ったら抱っこしたくなってさ。抱っこしたら、ヤっバいくらい可愛くってさあ。さすが俺の子、チョー可愛いーって思った。親馬鹿だよなあ」
そう話す脩吾は、少し照れ臭そうで、すっかりパパの顔をしてる。
「そりゃそうでしょ。脩吾に似てるなら、ずば抜けて可愛いよ。拓海、いい名前じゃん」
海を拓く。
将来、海賊王目指して冒険に出て欲しいと誰かさんが願った事と、無関係には思えない名前だ。
「奥さんと、やり直すんだね」
脩吾の出した答えを確認する。
「ん、その方向だけど。すぐの話にはなんない。離婚後半年は再婚出来ないじゃん? 俺とは籍入れてなかったけど、偽パパとは入籍してるし。俺も、じっちゃんが生きてる間は、出来るだけ実家にいたいし。元々、奥さんの親には結婚反対されてたから、再婚も再反対されてるし……まあ、色々」
へらりと笑って、
「でも、逃げずに頑張る。逃げんなって、喝を入れてくれた友達がいるから」
脩吾は真っ直ぐに私を見た。