HE IS A PET.
「アズミンのショップのモデルさんかあ。そういう意味での『飼ってる』ね。アズミンがペットなんて言うから、てっきり可愛い男の子だと思った。だって、ベッドでもお利口さんだとか何とか、言ってなかった?」
「ああ、怜は両方いけるから」
「両方って……」
ムムム、なんだか複雑な問題になってきたぞ。
てことは、アズミンも「両方いける」の? もしかしてとは思ってたけど。
話の流れで聞くべきか、聞かずに流すべきかと自問する私の目の前で、綺麗にネイルアートを施された爪が左右に振れた。
チッチッチって仕草、リアルでする人初めて見たし。
という私の感想はさて置いて、アズミンは真面目な顔して言った。
「咲希、世の中に男と女しかいないと思ったら大間違いよ。ペットだっているの。飼い主と同性だからって、愛されないペットがいる? ペットと飼い主の間に、性別の隔たりなんてないのよ」
「うん、ごめん。その話、ついてけない」