HE IS A PET.


「怜って、どんだけドMなの。なに、その自己犠牲。誰得? 黙ってたら、そのうちアズミンにも暴力振るうかもしんないんだよ。言わなきゃ。怜が言えないなら、私が言う」


「アズミに言ったら、俺に誘われたって、言うって。アズミはきっと……エリックを信じる」

 どうして怜はこんなにも弱くて、卑屈なんだろう。
 いつも不安げで、どこか物欲しげで。すがるような瞳が、情を誘う。


「私は信じてるよ。怜のこと」

 誘われるがままに、怜が望む言葉を吐く私は滑稽かもしれない。


「アズミンが怜を信じるって、信じてる。もしそうじゃなかったら……うちにずっといればいい」

 私の犬になればいい。

 潤んだ瞳が困惑し、私をじっと凝視する。


「……なんで、そんなに優しいの。俺みたいなのに……」


「怜が可愛くて、好きだからだよ」




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