あなたの向日葵になりたい
校舎を4階から1階まで降り、昇降口で靴を履き替えて外へ出る。




途中途中後ろ姿を見失うこともあったけれど、廊下は走る足音が良く響いて歩いていても全然平気だった。




莉音ちゃんが止まった横で後から自分も止まり、彼女の目線の先にあるものを私も追う。




そこには、3学年殆どとも言えるほど大人数の女の子の姿。




一体何をみんな見ているのか気になって見てみても、なんにも見えなかった。




そうだよね、この平均以下の身長は何も見えないよね……。




身長153.2cmの私は、中学2年生の平均にも満たない。




落ち込みながら、私より10cm以上背の高い莉音ちゃんに聞いてみる。




「莉音ちゃん、何か見える?」




「んー、見えるっちゃ見えるんだけどなー」




つま先立ちをしながら首を傾げるという器用なことをしながら、彼女は答えにならないような答えを言った。
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