あなたの向日葵になりたい
前の方は盛り上がっていて、女の子たちの叫び声が聞こえてくる。




何も見えないし、こんなところに居てもつまらない。




私は、莉音ちゃんに一言言ってこの集団からすみませんと言いながら抜けた。




意外と抜けることは簡単で、意気込んでいただけなんだか拍子抜け。



校庭の植え込みの縁に座りながら、周りを見渡す。




校庭ではいろいろな部活が行われているのにも関わらず、変に賑わっているのはさっきまで居た所の一部だけだった。




野球部や、陸上部など色々な部活が使う校庭の中央部。



そこには大きなサッカーゴールが2つ。




遠くから見てみれば、そこが何部なのかは簡単に分かってしまった。




「あ、サッカー部だったんだ…」




思わず漏れた言葉に気づいた人は、誰も居ないと思う。




何部だか分かったところで興味は無くなり、私は空を見上げる。




授業中でも、歩いているときでも、暇なときには直ぐに空を見るのが小さい時からの癖だった。



そのため色々なところにぶつかったり、先生に指されることはしょっちゅうだったけれどやっぱり空を見ることは楽しいからやめられなかった。
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