あなたの向日葵になりたい
「そ、空を見てるだけです」




若干の緊張をしながら、私は彼の目を見ながら言う。




すると彼は少し目を見開くと、溜息をつく。




「そんなこと見れば分かる。何、馬鹿にしてんの?」





冷めたような彼の口調に少し冷静さが戻ってくる。




あ、やっぱり噂どうりの冷たさ。




思わず頬が緩みそうになったのを、何とか話して誤魔化す。




「馬鹿に何かしてません。私は、ただ本当のことを言っただけです」




そう言うと、彼はふっと笑った。




「お前さ、」




「おーい、いつまでさぼってんだよー!」




彼の言葉を妨げるように、遠くから彼を呼ぶ声が聞こえた気がした。




その声と同時に、忘れていた女の子たちの集団も一斉にこっちへと振り向く。




女の子たちの目は、キッと獲物を逃さないようにしている動物と似ている鋭い目。




こ、怖すぎるよ。
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