あなたの向日葵になりたい
ちっと彼は舌打ちをすると、私の腕を引っ張りながら走りだした。




「え、ちょ、は、離してください!」




私は抵抗するけれど、彼は離さないとの一点張りで一向に手を離そうとはせず、集団の中へとドンドン突っ込んで行く。




何処かで莉音ちゃんが私の名前を呼ぶ声が聞こえた気もしたけれど、今の私はそんなのに構ってる余裕が全くと言っていいほど無かった。




彼が先を行ってくれるから道はできているけれど、周りからの視線がかなり痛い。




あーもう、この人なんなの!?




すごい迷惑なんだけど。




彼に連れられてきたところは、サッカー部の人達がたくさん集まっている所。




「あの、なんで私連れられてきたんですか」




私は呆れ気味に彼に聞いてみる。




「わかんない」




すると、彼は何とも素っ頓狂なことを普通に言った。




1秒でさえ悩みもしなかったよこの人。




「……この人、ほんっと失礼」
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