あなたの大切なひと
近くに座って、やはり人待ち顔の女性も同じカプチーノを頼んでいた。

イルカをみたいのかな。

なんとなく、カプチーノを見ていると、要がお店に入ってきた。

「美海、久しぶり!」
要が席に着いて、私が眺めていたカプチーノを見て、自分もカプチーノを注文した。
転勤して、頑張ったのだろう。
精悍な顔をしていた。

「この、イルカ懐かしいな」

要にも運ばれてきたカプチーノにも、イルカが乗っていた。

「うん」
私も懐かしさに微笑みながら、イルカを崩さないようにそっとカプチーノを飲んだ。

お互いに、久しぶりのカプチーノを楽しんだ。

「じゃ、そろそろ飯行こうか」
「うん。そうだね」
私達が席を立って、ドルフィンを出ようとした時に、男性が入ってきた。


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