あなたの大切なひと
…そう、私も令子と同じように、吸収合併という波に揉まれながらも、近くにいる彼、竹本豪海を気にしていた。

全然会わなくて平気な彼よりも、毎日竹本豪海のことを見ていた。

彼の隣で同じ目標に向かって業務を進めるのは楽しくてやりがいもあった。

…でも、彼には遠距離だが婚約者がいた。

毎日一緒に過ごしていると、忘れてしまうが、彼には大切なひとがいた。

今は彼女の仕事の関係で、離れているが、落ち着いて戻ってきたら、結婚するそうだ。
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