嘘から始まる運命の恋
 それでも、もとは真由里が蒔いた種だ。

「自分の彼氏でしょ? 自分でなんとかしなさい」

 私の言葉に、真由里が大きな目を潤ませて、今にも泣き出しそうな顔をする。

「そんなこと言わないでよぅ。私、お姉ちゃんに言われて、今度こそは真剣に付き合えて、長続きする恋をしようって思ってたのに」
「……そうなの?」
「うん、ホントだよ。『もう二十五歳になったんだから、そろそろ落ち着いて、遊びじゃない本物の恋をしてみたら?』って言われて、ああそうだなぁって思ったんだ」
「そっか……」

 つねづね私が言っていた言葉をようやく真由里は理解してくれたらしい。

「それなのに、彼の方が遊びの関係を続けたいみたいで……。私、会ってエッチするだけの関係に疲れちゃった。そりゃ、たしかに体の相性は最高だったけど……」

 真由里の言葉に思わず目を見開いた。もちろん私だって過去に恋人はいたし、そういうコトもしたけれど、体の相性が最高だなんて思ったことはない。

 それってどんな感じなんだろう。ちょっと興味ある。

 けれど、真由里の方は困った口調で続ける。
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