嘘から始まる運命の恋
「でも、相性がいいのはそれだけなんだ。ふたりで会うのはエッチをするため。彼といてもほかに楽しいことがないんだもん。だから、長く続けたい相手じゃないっていうか……お姉ちゃんの言う〝本物の恋〟じゃないっていうか……。だから、彼に誘われるたびにホントに困ってるの」
「真由里のその気持ち、ちゃんと伝えたの?」

 私の問いかけに、真由里が力なくうなだれる。

「伝えたよ、何度も。それなのに、信じてくれないんだ。やっぱり私のこの外見のせいなのかなぁ……」
「顔やスタイルよりも、服装とメイクのせいかもね。私と真由里は似てるってよく言われるけど、私は軽い女に見られたことないもん」

 仕事以外ではもっと露出の少ない服を着たら、と言う私の言葉に真由里の言葉が重なる。

「だよね! 私たち、よく似てるもんね! 真由奈(まゆな)姉(ねえ)が彼にガツンと言ってやってよ」
「え? ああ、まあ、『うちの妹を遊び相手にするな』ってガツンと言うくらいなら」

 真由里が首を振って私の両手を握りしめて言う。

「ううん、そうじゃないよ!」
「え?」
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