嘘から始まる運命の恋
あー、もう。そんな泣きそうな目で見られたら。
「わかった!」
気づけばそう返事をしていた。真由里がうれしそうに手をパチンと合わせて言う。
「ありがとう! さすがは頼れる真由奈姉」
そうしてお姉ちゃん大好きオーラ全開で私に抱きついてくる。こんなことをされたら、どれだけ後悔しても今さらノーとは言えない。
私はため息を呑み込んだ。
「じゃ、彼のことを教えて」
「うん」
真由里が嬉々としてスマホを持って来た。そうして一枚の写真を表示させる。
「バーで撮ったから見にくいんだけど」
真由里の言葉通り、ふたりが寄り添って映っているその写真は、暗くておまけにピンぼけだ。イケメンに分類される彫りの深い顔立ちなんだろうなとしかわからない。
「長岡快(かい)って言うの。二十八歳だって。美容師って言ってた」
「ふーん」
「明日の土曜日にライブハウスに来てほしいってメールが来てて」
「ライブハウス?」
「うん。そこで待っててほしいって。電子チケットが送られてきたの。チケット会社にアドレス変わったって連絡しておくから、真由奈姉が自分でチケットをダウンロードして」
「わかった」
「わかった!」
気づけばそう返事をしていた。真由里がうれしそうに手をパチンと合わせて言う。
「ありがとう! さすがは頼れる真由奈姉」
そうしてお姉ちゃん大好きオーラ全開で私に抱きついてくる。こんなことをされたら、どれだけ後悔しても今さらノーとは言えない。
私はため息を呑み込んだ。
「じゃ、彼のことを教えて」
「うん」
真由里が嬉々としてスマホを持って来た。そうして一枚の写真を表示させる。
「バーで撮ったから見にくいんだけど」
真由里の言葉通り、ふたりが寄り添って映っているその写真は、暗くておまけにピンぼけだ。イケメンに分類される彫りの深い顔立ちなんだろうなとしかわからない。
「長岡快(かい)って言うの。二十八歳だって。美容師って言ってた」
「ふーん」
「明日の土曜日にライブハウスに来てほしいってメールが来てて」
「ライブハウス?」
「うん。そこで待っててほしいって。電子チケットが送られてきたの。チケット会社にアドレス変わったって連絡しておくから、真由奈姉が自分でチケットをダウンロードして」
「わかった」