嘘から始まる運命の恋
第三章 情熱の始まり
ケイが案内してくれたのは、駅前にある大型ショッピングモールだった。その外れに位置する楽器店兼音楽教室を目指して歩く。午後十時を過ぎた今、ほかの店はどこも閉店していて、ショッピングモールを歩いているのは私とケイのふたりだけだ。いつもはたくさんの買い物客で賑わっているのに、今はガランとしていてとても広く感じる。
「伯父さんに鍵をもらってるんだ」
ケイはいたずらっぽく目配せをして、〝関係者以外立ち入り禁止〟と書かれた看板の横を通って歩いて行く。ドキドキしながら彼に手を引かれてその狭い通路を進んだ。ケイが奥にある店舗の裏口のドアに鍵を差し込んで開けた。壁のスイッチを押し、暗かった店内がパッと明るくなる。
「わぁ……」
店の表側、入口に近い壁には、楽器ごとに分けられた棚に楽譜が一面にぎっしりと並んでいた。その横にはウクレレ、ギター、電子ピアノ、ドラムセットなどが所狭しと展示されている。
「管楽器はどこにあるの?」
私の問いかけに、ケイが入って右手のドアを示した。
「この中。高価なものもあるから、ガラスの棚に入っている」
「伯父さんに鍵をもらってるんだ」
ケイはいたずらっぽく目配せをして、〝関係者以外立ち入り禁止〟と書かれた看板の横を通って歩いて行く。ドキドキしながら彼に手を引かれてその狭い通路を進んだ。ケイが奥にある店舗の裏口のドアに鍵を差し込んで開けた。壁のスイッチを押し、暗かった店内がパッと明るくなる。
「わぁ……」
店の表側、入口に近い壁には、楽器ごとに分けられた棚に楽譜が一面にぎっしりと並んでいた。その横にはウクレレ、ギター、電子ピアノ、ドラムセットなどが所狭しと展示されている。
「管楽器はどこにあるの?」
私の問いかけに、ケイが入って右手のドアを示した。
「この中。高価なものもあるから、ガラスの棚に入っている」