嘘から始まる運命の恋
第五章 嘘の終わり
 その日から五日間は、ケイとのことを思い出して胸を熱くしては、いや、彼は真由里だと思ってるから、と落ち込むことを繰り返す日々だった。ようやく土曜日の朝を迎えて、ケイに会えるとうれしくなりながらも、真実を伝えなければと思うと、どうしても気が重くなる。

 このまま真由里だと偽り続けても、関係を続けていけば、いつかはバレるだろう。今よりもずっとずっとケイのことを好きになってから、騙していたことがバレて捨てられるよりも、まだ好きの気持ちが小さいうちの方が乗り越えられそうな気がする。

 そう思って自嘲する。

 これって振られることが前提みたい。

 でも、一度は振られてもいいから、高原真由奈として彼に愛されたい。

 だから、高原真由奈として彼に会いに行こう。

 普段の私らしい、ライトブルーのストライプシャツに、ホワイトのカルソンパンツを合わせた。アクセントにはターコイズのロングネックレス。そしてホワイトのショルダーバッグを持って、約束の時間に間に合うように家を出た。
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