嘘から始まる運命の恋
名前を書き終わると、女性に横のエレベーターを示された。走り出しそうになるのをどうにかこらえて早足で進んだが、エレベーターが降りてくるのすら待てなくて、その横の階段を駆け上がった。
三階の廊下を進むと、真ん中辺りの部屋でドア横に〝長岡快〟と書かれたプレートを見つけた。ゴクリと唾を飲み込んで、ドアをノックする。
「ケイ? 私、マユだけど」
返事がないので、そーっとスライドドアを開けた。顔の幅だけ開けて中を覗くと、そこは個室で、窓際のベッドで男性がひとり寝ていた。
「ねえ、大丈夫なの?」
ドアから入って声をかけた。
「寝てるの?」
相変わらず反応がない。
白いTシャツとその上に羽織っているウォッシュド加工のデニムシャツは、なにかの色が転移したのか、灰色っぽく汚れている。でも、顔にも上半身にも目立った傷はなく、包帯を巻かれているところもない。胸から下は掛け布団に隠れていてわからないけれど、脚を折っている様子もなさそうだ。
三階の廊下を進むと、真ん中辺りの部屋でドア横に〝長岡快〟と書かれたプレートを見つけた。ゴクリと唾を飲み込んで、ドアをノックする。
「ケイ? 私、マユだけど」
返事がないので、そーっとスライドドアを開けた。顔の幅だけ開けて中を覗くと、そこは個室で、窓際のベッドで男性がひとり寝ていた。
「ねえ、大丈夫なの?」
ドアから入って声をかけた。
「寝てるの?」
相変わらず反応がない。
白いTシャツとその上に羽織っているウォッシュド加工のデニムシャツは、なにかの色が転移したのか、灰色っぽく汚れている。でも、顔にも上半身にも目立った傷はなく、包帯を巻かれているところもない。胸から下は掛け布団に隠れていてわからないけれど、脚を折っている様子もなさそうだ。