両片思い
───ガタンッ
「航大君…ひどいっ!!
私が告白するって分かっててわざと…?」
その言葉で我に帰る。
あいに見られたくなかった…
他のやつに告白されてるとこなんて。
でも、あいの告白で
俺の頭の中はぐちゃくちゃで
混乱してて、冷静ではられなかった。
「ち、ちがうよ!」
何て言えばいいのかわかんない。
はやく、なんか言わなきゃ…!
なのに、頭がうまく回らない…。
「そうだよ!ごめんね。
他の人に告白しようとしてて、練習
だよ!!こんなこと頼めるのこいつしか
いないから…
航大なんか好きじゃないから安心して」
そう言って、教室を飛び出してったあいを
俺は追いかけられなかった。
いや、追いかけなかった。
だって、あいつが好きなのは
俺じゃない…!
頭がなにかで殴られたように
俺はなにも考えてなかった。