プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「えー?うそでしょ?
なんで今日そんなノリなの?
あの早打ちのにっしーが、らしくないじゃん。前は狙いつけるとソッコーだったのに」

「......あの、よく分からないけど、誤解だよ。
普通に話してただけ」


前は自分で早打ちなことをネタにしてたくらいだ。
そう言われても仕方ないし、あたしが一輝くんにマジなこともえり子には言ってないから、うん、この展開も仕方ない。

あたしが口を開く前に、いまいち状況がつかめないという顔をしながらも、冷静にそう言ったみのる。


「そうなの?

さっきさ、にっしーたちがなかなか戻ってこないから、二人で抜けたのかもねって一輝くんに言ったら、先輩はそんなことする人じゃないって一輝くんが必死に否定するからあたし笑えちゃって。

にっしーって一週間に二人の男と寝たこともあるくらいだし、ありえるよって言っても一輝くん全然信じないし。
にっしーってそんなマジメキャラじゃなくない?」


......おおう。
えり子、一輝くんの前でなんていうことを。

友達の前なら、過去の黒歴史笑い話ですんでも、一輝くんにはあまり知られたくなかった。


「みどり先輩は絶対にそがんことする人じゃなかですよね?一週間に二人の男となんて.......、いい加減なこと」


少しも疑ってないという目でまっすぐにあたしを見つめる一輝くんは、きっとあたしがそんなことしてない、えり子の嘘だよと言えば信じてくれるんだろう。


「......ごめん、一輝くん。
それホントだわ」


これがえり子が一輝くんのことを好きであたしのことを陥れるための嘘だったとしたなら信じてくれて嬉しい、と言えるのだけど。

別に嘘とかそんなんでもなく、ホントのことだからどうしようもない。

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