プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
たしか......あたし一輝くんが好きって......。
一輝くんだけしか見てないって叫んだような......。

ってことは、一輝くんもあたしが大好きってこと?


「注目されてるみたいだし、出ませんか?」

「え?ああ、そだね。そろそろ戻ろっか」


なんかものすごく嬉しいことを言われた気がするけど、ギャラリーの注目を集めてるのが気になる。

一輝くんに同意して、ドリンクサーバーのところに一時置いていたお茶を手に取り部屋に戻ろうとすると、一輝くんは首を横にふった。


「いや、コンパはもうよか。
実先輩は大丈夫そうやけん、二人で抜けましょう。
行きたいとこあるとよ」


なんで急に積極的?

嬉しいけど、荷物もおきっぱだし、自分から誘っといてみのるを置き去りにしてもいいのか。


急に大胆な一輝くんに悩んでいると、彼が後ろを指したので振り向くと、あたしのバッグをもったみのる。

さわやかな笑顔でそれを一輝くんに渡し、みのるは無言であたしたちに手を振る。

みのる、気がききすぎ。


「みのる、ありがと!
この借りはいつか返す」

「期待しないで待ってるよ」


丁重にみのるに頭を下げる一輝くんを見て、あたしもみのるに手をふって、カラオケ店を後にした。

自然と、一輝くんと手をつないで。






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