プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
翌日の放課後、週明けの学校のグラウンドには、いつものようにサッカー部員と人数ギリギリの野球部。

ここまではいつもと一緒だけど、いつもと違うのは学校一のアイドルの三浦理穂がいること。


「理穂!きてくれたの!
マネージャーのこと考えてくれたんだ?」


部活が始まる少し前に、六時間目が体育だったらしく、そのまま体操服で部室の前まできた理穂にかけよる。


「う、うん、父と母に話したら、二人とも野球部だったみたいで、興味が出たの。
私もマネージャーしていいかな?」

「もちろん!大歓迎よ!
てか、理穂のパパたちも野球やってたの?うちもよ」


部室の中にいるみのるにウインクしてから、モジモジしている理穂の手をとる。

理穂のパパとママも野球やってたなんてすごい偶然、その話で盛り上がっていたら、いつのまにかユニフォームをきた背の高い男が私たちに割り込んでいた。


「ミッチー!マネージャーやってくれんの?」


語尾にハートマークでもつきそうにでれっとした茶髪パーマに絡まれ、ドン引きの理穂がうなずくと、その茶髪パーマはとたんにテンションが高くなる。


「マジか!ミッチーがマネージャーやってくれんなら、甲子園も行けそうな気がしてきたわ」

「え......あの......、が、がんばってね......」


ドン引きの理穂に、一方的にしゃべり続ける敦士。

アンタ、理穂に怖がられてるから。


まぁ、敦士じゃなくても男なら理穂みたいな美人がマネージャーになってくれたらテンション上がるのも分かるけど?

みのる呼んでこよっと。


一歩どころか敦士から百歩ぐらい引いている理穂を横目に、みのるを強引に部室から引っ張りだした。

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