プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
十二回裏。

一人目のバッターを内野フライに打ち取ったのはいいけれど、続くバッターにスリーベースヒットを打たれ、さらにフォアボールを出し、ワンアウト一、三塁。


一点入ったらその時点でサヨナラ負け決定、一点も許せないこの状況で、一度マウンドに内野手が集まってから、敦士が投げた一球。

バットを振るタイミングばっちり、真芯でとらえた音がして、打球はセンター方向に伸びていく。


一輝くんがキャッチャーマスクを投げ捨てたと同時に、バッター、それから、一、三塁のランナーもスタートを切った。


三塁のランナーが返ってきたら、ゲームセット。
ああっ、完璧にヒットの当たりだ......と思っていたのに。


センターがダイビングキャッチでボールに飛びついた。
そして転がりながらも、しっかりとボールをキャッチして、まさかのツーアウト。


すごい!超ファインプレイだ!

いつも打球チラチラ見ながら走るなと敦士に怒られてばかりだった金子くんが、あんなに勇気のいるプレイをしたことに、素直に感心する。







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