プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
......ああっ!
拳を握って見守っていたら、思わず息をのんでしまった。

しっかりとボールをキャッチした一輝くんがランナーにタッチしたと同時に、すべりこんできていたランナーが勢い余って一輝くんに激突したから。


強烈なタックルを受けた一輝くんは吹き飛ばされながらも、ボールを離さなかったみたいで、しっかりとボールをつかんでいるミットを高く上げて、審判にアピールプレイをした。


「......アウトッ!スリーアウトチェンジ!」


......良かった。

アウトにできたのは良かったけど、あんなに激しくぶつかって一輝くんが心配。

アウトにほっとしたのもつかの間、一輝くんのことが気にかかって、なんだか素直に喜べない。


「ナイセンター!ナイセカン!」


あたしが心配してるのがおかしいのか、当の本人は何事もなかったかのように、ナイスプレイをした金子くんたちの背中を叩きながら、笑顔でベンチに返ってきた。


「一輝くん大丈夫?
ものすごいタックル受けてなかった?」


次の打席に立つ準備のために、すぐにレガースやら防具を外し始めた一輝くんのそばにかけよる。


「大丈夫です。なんともなかよ」


座りながら防具を外す一輝くんは笑顔であたしを見上げるけど、あんなタックルを受けて平気な人がいるとも思えないし、なんだか納得いかない。
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