プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「あっちも必死になってますが、こっちも必死たい。
あんぐらいのタックルじゃ、ホームベースは踏ませられんばい」


バットを指しているところから、銀色の金属バットを抜くと、いつもの笑顔を見せる一輝くん。


「一輝くん、まって。......がんばってね」

「はいっ!」


あんまり無理しないで、と言おうとして、その言葉を引っ込めた。

あんな殺人タックルを受ける一輝くんは見ていられない、一輝くんが敦士がみんなが、倒れる前に止めるべきなのかもしれない。


だけど、それ以上にここで引く一輝くんをあたしは見たくない。


それに、どうせ止めたって聞かないだろうから。

一輝くんにしたって、敦士にしたって、倒れるまでやらなきゃ気がすまないんだ、きっと。


ファインプレイをした金子くんや他のみんなにしたって、だんだんあの二人に感化されてきてるし。


もう仕方ない。
心配だけど、どうせ言ってもきかないんだから、ここで黙って見守ってることにした。
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