プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「賭けは来年に持ち越しだな」


甲子園で勝負するっていう例の賭け、もちろん忘れるわけない。

裕貴も一年生ながらに、控えピッチャーとしてベンチ入りしたみたいだし、このままいけば来年の裕貴との甲子園対決も夢じゃなくなるかもしれない。


すぐにうなずくと裕貴は満足そうに背を向けて帰ろうとしたので、ひき止める。一緒に帰らないの?と。


「邪魔になりそうだから、一人で帰る。
大会終わったんだし、話とかあるんじゃねぇの?」

「え?もうさっき中でミーティングは終わったし、後は帰るだけだよ」

「いや、そっちじゃなくて」


あー......、そっちね。

めずらしく遠慮している裕貴の意図がつかめずにいたけど、一輝くんを視線だけで指した様子をみて、ようやく察した。


夏の大会が終わったら......って、一輝くんとの約束。
もう今日で大会は終わったわけだけど、結局甲子園行けなかったし、どうなるんだろ。





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