プリマネ！恋はいつでも真っ向勝負
｢その子の名前って......｣

｢え？だから、一輝くん。
小野一輝くんだけど｣


私の方から声をかける前に、戸惑いがちに言われたママの言葉に返事を返すと、ママとパパが顔を見合わせた。


｢なに？なにかあるの？
パパたちの知り合いだったりするとか？
九州からきたって言ったし、それはなくない？｣


あ、でも、地元こっちっていってたかも。
だからって、まさかよね？

あたしとしてはどっちでもいいんだけどね。
パパとママの知り合いが一輝くんの親だったら、それこそ運命だし？


二人の間だけで通じ合ってて、ビミョーに寂しくなったあたしは口をはさんでみるけど、ますます空気がおかしくなってきてない？


｢九州から......？
......仕事の人から電話だ、ちょっと出てくる｣


絶妙なタイミングで、神妙な顔をしたパパのスマホが着信を告げ、パパは席を立つ。


それからママもみんなが使い終わったお皿を洗い始めたので、そこでその話題は打ち切られた。
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