プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
男が途切れたことないんじゃないかってくらいに、中学から常に彼氏はいたけど、他に好きな人ができたり飽きたりで、だれとも長続きはしたことないあたし。


だけど、一輝くんだけは、今までのどの男とも違う。
あたしと一輝くんは絶対に結ばれる運命。

今日会ったばかりなのに、早くもあたしはそう確信していた。


ママとパパだってそうだったんだから、あたしと一輝くんが高校で出会って、いずれ結婚してもおかしくないはず。


「ママならあたしの気持ち分かってくれるんじゃない?
ママも高校のときから、同じ部活だったパパのことずっと好きだったんでしょ。

あ、あたしが一輝くんのこと好きっていうの、パパにはナイショにしてよ?パパに男の話知られたら、メンドーなことになりそうだし」


手を食器用洗剤でアワアワにしたまま、黙りこんでいるママにたたみかけるようにそう言うと、何かを考えるようにママは一瞬うつむいてから、それから顔をあげた。


「うーん......、結婚はともかく、みどりが本気で一輝くんのこと好きなら、ママは応援するよ。
パパにはとりあえず内緒にしとくね。内緒にするというか、言えないし......」


応援するとはいっても、どこか浮かない顔のママが気になったけど、浮かれ気味のあたしの頭からは、すぐにそれもどこかに飛んでいく。


未来のダーリンと出会い、ママからの賛成も得られ、すっかりゴキゲンで鼻歌なんか歌いながら、あたしは皿洗いを終わらせた。
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