プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「そんなに待たせたと?
まだ付き合って一ヶ月も経ってなかけん、一般的には......早い方かと」


......不審な目であたしを見る一輝くんに、またもや壁。
そうだった、世間では、期間とか気にするものだった。

もしかして、昨日一輝くんを拒んだ方がよかったとか?
何回かはもったいぶった方が良かった?


だけど、あたしは好きになったら即したいタイプなの。
それが本気で好きな人ならなおさら。

肉食と言われようと、すぐやらせたら飽きられると言われようと、好きな人から求めれて拒むなんてできるわけない。


「付き合った期間は関係ないの。
付き合って何ヵ月でするとか、いちいち気にする必要なくない?それとも、一輝くんって一回やったら冷めるタイプなんだ?」

「ちがいます!
......むしろ......。

もっと......、好きになりました」


照れながらも、あたしの目を見て想いを伝えてくれる一輝くんが改めて好きだと思った。

やっぱり、一輝くんだよ。
一輝くんはこんなあたしに戸惑いながらも、あたしを理解しようと努力してくれて、ちゃんと愛してくれる。


「おい、そこのバカップル。
電車の中でなんちゅー話してんだよ。
俺もいるって完全に忘れてんだろ」


完全に二人の世界に入りかけたとき、せきばらいとともに、後ろから声をかけられて、そちらを振り向くと。

そこにいたのは、坊主にしたばかりの野球部キャプテンだった。


「敦士。いたの?
何で気配消してんのよ」

「いつからおったと?敦士先輩」


いつもの塩対応なあたしと、ナチュラルに失礼な一輝くんに敦士はため息をついた。


「消してねーから。
一輝の次の駅からフツーにいたし、声もかけたからな?
お前らが二人の世界に入ってたから気づかなかっただけで」
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