プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「いま?特にいねーけど。
なに?紹介してくれんの?」


片手でつり革につかまりながら、ニヤニヤしている敦士を冷めた目で見ながら、あたしも敦士と一輝くんの間のつり革に背伸びしてつかまる。


「......理穂は?
アンタら、最近仲良さげじゃん」

「は?なんでいまさらミッチー?
俺ミッチーのことは、とっくにあきらめつけてっけど」


まったく予想もしていなかったというように、驚きの声をあげる敦士に、何いってんだこいつはと思ってしまった。

敦士ってそんなニブかった?


「でも、理穂はどうみたってアンタのことが」

「みどり先輩」


好きだと思うと言おうとして、途中で一輝くんに腕を握られ首をふられたので、それを思い止まる。

そうだね、誰が見ても分かることとはいえ、あたしが言うことじゃないか。


「......理穂はアンタのこと気に入ってるように見えるけど。最近やけに絡んでない?」


同じような意味だけど、婉曲的な意味に言い替えると、それにも敦士は同意しない。



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