プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

3、家族関係

「ねぇねぇ、みのるってイケてると思わない?
決勝戦まで全部一人で投げきったみのる、かっこよかったよね。
彼氏は野球部のエースってよくない?
キャプテンとマネージャーってのも悪くないよ?
けど、やっぱあたしとしては、マネージャーはピッチャーとくっつくのが王道だと思うわけ。
みのるだったら、性格も悪くないし......って、どうしたの理穂?」


練習の空いた時間に、理穂と部室の掃除をしながら、みのるのごり押しをしていたら、理穂は気まずそうな顔で後ろを指す。


なに?
後ろを振り向くと、そこには呆れたような視線をあたしに送る、王道でないあたしのダーリン。


「新しいボールありますか?」

「あ、新しいボールね......」


奥の方に積んであった箱に入った、銀紙に包まれたボールを取り出し、銀を剥いて、一輝くんのミットの中に入れる。


一瞬焦っちゃったけど、そんなに気にしてないみたい。
聞こえてなかったのかな?

何事もなかったかのようにボールを受けとると背を向ける一輝くんに、内心ホッとしていると、一輝くんはくるっとこちらを振り返った。


「みどり先輩がピッチャーと付き合いたかったなんて、知らなかったとです。王道じゃなくてすみません」


無表情でそう言うと、ペコリと軽く頭を下げて、一輝くんは部室を出ていってしまった。
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