プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「ああ、アンタ帰ってたの。おかえり」


お風呂から上がり、テレビでも見ようとリビングに戻ると、リビングにいたのは、背ばっかり無駄に伸びた可愛いげのない弟の裕貴だけだった。

遅い夕ごはんを食べながら、音楽番組を見ている裕貴に声をかけて、チャンネルをかえると。


「ただいま。......おい、勝手にチャンネルかえんなよ、俺が見てんだろうが」


と、まあ、いつものようにクソ生意気な応酬。

あたしたちはひとつしか変わらない年の近い姉弟ということもあって、小さい頃から顔を合わせればけんかばかり。


「月曜の9時からは、このドラマ見るって決まってんの。
裕貴は弟なんだから、姉のあたしにゆずりなさい。
レディーファーストって言葉があるの知らないの?」

「みどりこそ、ここは日本って知ってるか?
レディーファーストなんて外国文化にかぶれてんなよ。
つか、今は男女平等の世の中だから。
レディーファーストとか古いんだよ」


弟の分際で、姉のあたしを呼び捨てにしてくるとは一体どういうつもり?

こいつは昔からこうなんだ。
ああ言えばこう言い返してくる、非常にムカつく弟。

ぜんっぜん、可愛くないっ!
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