プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
さすがに片付けるといっただけはあって、一輝くんの部屋は片付いている。

あるべきものはあるべき場所にある部屋。

ベッドにもたれかかるように、床に座った一輝くんの足の間にあたしも座る。


「はぁ~......緊張したぁ......。
あたし一輝くんのお母さんに嫌われてないかな?」

「大丈夫ですよ。
みどり先輩は俺が好きになった人やけん、お母さんも気に入ってくれるはずです」


一輝くんに背中からもたれかかるあたしを、彼は後ろから抱きしめてくれる。

一輝くんの筋肉質で日焼けして真っ黒な腕に抱きしめられるの、あたし大好き。


「そう?ならいいけど。
一輝くんって、純粋だよね」


自分の好きになった人=家族も好きになる、の単純図式が成立するなら、世の中の彼親とのたいていのいざこざは起きていないのだ。


「え?」

「大好きって言ったの」


意味が分からなかったのか聞き直してきた一輝くんの腕の中でくるっと向きを変えて、一輝くんの唇をすばやく奪った。


世の中にはメンドイことがいっぱいあっても、何の疑いもなくさっきみたいなことを言い切れちゃう純粋な一輝くんだから好きなの。


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