プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
大変失礼ながら、お母さんが今までどうやって生きてきたのか、色々心配になってしまう。

驚いているあたしに、一輝くんはうーんと何かを考えるようにうつむいてから、こんな昔話をしてくれた。


「結婚する前に働いてた頃は、職場の女の人とも上手くやれずに、一時期はイジメられたりもあったらしくて......。仕事も押しつけられ、上司にも怒られてばかりで、毎日残業しながら泣いてたらしいです。

そいで、同僚だったお父さんがほっとけなかったみたいで、」

「え?なになに?」


守ってあげたい系のお母さんに恋しちゃったとか?
俺が守ってやるみたいな?
そこから素敵なオフィスラブが始まったり?

ワクワクしながら先を促す。


「結婚しようって言ったとよ」

「え、......。それは付き合ってたとかでなくて、いきなり?」

「はい。
付き合ってたどころか、ほとんど話したこともなかったとに、いきなり。
お母さんもこんな私に申し込んでくれる人がいるなんて~って感激したらしいです」


素敵なオフィスラブ始まるどころか、色々すっ飛ばしてたー!


お母さんをほっとけなかったお父さんの気持ちも分からんでもないけど、それにしても。

何を思っていきなりプロポーズ?謎過ぎ。
する方もする方だけど、受ける方も受ける方だ。


まあ、お母さんがちょっと変わった人で、あたし的にはラッキー?

普通の人だったら、息子の彼女がいきなりハデなかっこできたら、ドン引きだろうし。

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