プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「どっちも好きだし、大切だったよ。
だけど俺が一番好きなのはみどりだよ。昔も今もずっとね。彼女は飽きるけど、みどりは飽きないから」


きっぱりとそう言い切られて、どうしたものかと。

あたしだってそれは同じで、秀はずっと大切な存在だけど、だけど根本的に何かが違う。

好きとは違う気がする。


「それは、あたしも同じだよ。
同じだった、よ。
でもたぶんそれ好きとは違うよ。
秀はあたしのこと好きじゃないよ、なんか違う。

幼なじみで、家族同然の付き合いのあたしにマジな男ができたからムカついてるだけじゃないの?
ほらたとえば......、彼女とはキスするけど、あたしとはしないでしょ?そういうことだよ」

「そんなことないよ、したことないけど、できるよ。
みどりはできないの?」


できないの?と言われると......、たぶんできる。

できないと言わなきゃいけないはずなのに、ポーカーフェイスの幼なじみの秀をじっと見て、そんなことが頭をよぎった。

のらりくらりとかわすこの性格はムカつくけど、顔だってイケてるし、外見だけで言うなら合格ラインをゆうに越えている。


ん?ていうか、よく考えたらおかしくない?

させてください!とお願いしてくるならともかく、しようと思えばできるけどーな態度って。

なんでこんな上からなの、こいつ。






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