プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「一輝くんのこと悪く言わないで。
一輝くんは絶対にやる男よ。
このあたしが初めて本気になった男なんだから」

「は?......そういうことかよ、マネージャーなんてどういう風の吹き回しかと思ったら......
テメー男目当てかっ。ますます続くわけねーよ」


あたしの発言に裕貴は一瞬ぼうぜんとしていたけど、やつはすぐに自分を取り戻し、やめとけやめとけと吐き捨てるように言う。


「なんでよ?」

「なんでって、お前男に関しても飽きんの早いだろ。
お前の中学のときのあだ名、早打ちのにっしーだからな。
付き合ったと思えば、次の瞬間には男変えやがって、中学だけで何人と付き合ってんだよ」


趣味や習い事だけでなく、タチの悪いことに男に飽きるのも早いあたし。

飽きっぽいうえに、待つの大嫌い、我慢大嫌い。

目をつけた男と付き合うのも早ければ、別れるのも早い。さらに次の男を見つけるのも早い。

ソフトの打席にたつときも、サインが出ている時以外は様子見なんて一切せずに、初球からがっつり打っていく。


とにかくサイクルが早い、そんなあたしについたあだ名が、早打ちのにっしー。


「いちいち数えてないけど、6人以上はいった?」

「数えろ!つか、分からねーくらい次から次に付き合うんじゃねーよ」


あたし早打ちだから、と自分で言っちゃってたくらいに、あだ名をつけられたあたしは全然気にしてないのに、なぜか関係ない弟の裕貴が苛立ったようにそう言った。

< 25 / 623 >

この作品をシェア

pagetop