プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「......勝負にならねーよ。
星ヶ丘が甲子園に行けるわけねぇだろ。
早打ちのにっしーを卒業するのは賛成だけど、もっとまともな男探せ」

「あたしがそこらへんにいるまともな男に本気になると思う?」


ならねぇな、と即答える裕貴。
さすが弟、あたしのことをよく分かっている。


「優しい男も、顔だけの男も、エリートもノーサンキュー。サンキューなのは、あたしをワクワクさせる男だけよ。

裕貴はこんなにワクワクする勝負、したくないの?
まあ、そもそもアンタなんてベンチにすら入れないでしょうから、勝負にならないか......」


テレビを消して、やれやれと立ち去る振りをすれば、待てよと裕貴があたしの腕をつかむ。


きたきた。
ここまで言えば、裕貴がのってくることをあたしはよく知っている。

内心ほくそ笑みながら、裕貴の言葉を待つ。
< 28 / 623 >

この作品をシェア

pagetop