プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「にっしーのクラスに協力者がいるってだけで、主犯は別なのかも」

「その可能性もあるけど、そこまでする?
それに、リョーコって線はやっぱないと思うけど」


主犯って急に大げさになってきたけど、そこまで綿密に計画された事件ってわけでもない。

なんで?と純粋に聞いてくるみのるは、あたしよりもずっと深刻にとらえてるみたいだけど。


「だって、この前のことがあったばかりでコレって、明らかにタイミング的に疑ってくださいって言ってるようなもんじゃん。
いくらなんでも、そんなバカげたことしなくない?」

「そう見せかけて、あえてこのタイミングってことは?」

「それ考え出すとキリないから」

「うーん......。
それにしてもおかしいよね」


あたしの肩に手を置いたまま、何かを考え込んでいるみのるを、なにが?と下からのぞきこむ。


「にっしーが次の授業に出なかったら、同じクラスの友達が変に思うはずじゃない?」

「あ、たぶんそれはない。
うちの六限、古典の坂本なんだよね」

「ああ、なるほど」


教師の名前を出しただけで、全てを察したみのる。


古典の坂本といえば、定年間際のおじいちゃん先生で、出席もとらないうえに、授業内容もぬるくて眠くなるという絶好のサボりタイム。

マジメちゃんが多い星が丘でさえ、時々脱落者が出てしまうほど。


そういうあたしも何度かサボった前科アリだし。

つまり、あたしが帰ってこなくても、どっかでサボってんだと思われて、誰も不審に思わないわけだ。

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