プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負
「そうだよ。
みのるはいい人過ぎるんだよ、あと押しが弱い。
だからいつも女を逃すの」

「こんな性格じゃなかったら、今ごろ一人じゃなかったかも」


そんなことを言いながら笑ったみのるの背中をバシッと叩いた。


「言えてる。
......でも、みのるはいい人だよ。
いつかみのるの良さを分かってくれる人が絶対現れる」

「にっしーもいい人だ。
にっしーにも、ずっと一緒にいられる人がいつか見つかるよ」

「......うん。
これで秘密も全部なくなったし、あたしもみのるも好きな人と終わった。

お互い一からやり直そっか」


もうこの学校のほとんどの男は、遊び相手ならともかく、本命には考えてくれないだろうし、一からどころかマイナスになってる。

だからもう高校での恋愛はほぼ捨ててるけど、もしもそれでも、こんな状況でもあたしを本気で好きになってくれる人がいたのなら......。


「そうだね、次は彼氏のいない女の子を好きになりたい。
さあ、そろそろダウン行くだろうし、みんなと合流しよう」


今度こそ、その人が、運命の人かもしれない。


「うんっ、早くいこ!」


笑顔で返事をして、みのると競いあうように部室まで走った。息が白くなるくらい寒いけれど、よく晴れた気持ちの良い冬の空のしたを。
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