プリマネ!恋はいつでも真っ向勝負

1、ふたつにひとつ

オフシーズンも終わり、四月。

ついにあたしは高校最後の年になり、それと同時に野球部の新一年生もたくさんいってきた。

去年は甲子園こそいってないものの、夏も秋も大会で結果を残したこともあり、今年は力のある一年生が入ってきて、ますます甲子園への期待も高まる。


「西川」


バットを片手に持ち、ヒラヒラと片手を上げてボールを投げろと合図をするマウンドにいる新顧問の成田先生。

春から新しく赴任してきた体育教師で、まだ教師四年目で若いけど、高校生の時は甲子園出場経験もあるらしい。

おじいちゃん顧問の和澤、ノックを打ちにきてくれる高田っちもいるけど、春からは成田先生が毎日指導してくれている。

先生にボールを渡すと、先生はホームにいる一輝くんにノックを打つ。


「走った!」

「セカン!」


周りの部員も声を出すと、防具をつけた一輝くんは盗塁処理の練習ですばやく二塁に投げる。


安定の投球を見せる一輝くんもそうだけど、セカンドも......、他の子もだいぶ上手くなった。

一年生も即戦力になりそうな子が何人かいるし、二三年生も冬でだいぶ伸びたし。

成田っちはまだ何とも言えないけど、甲子園経験もある先生だし、指導力にも期待。


そんなわけで、部活の方は至って順調。





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